最近新型MacBook Proの登場が噂されており、その登場が待ち遠しい方も多いことかと思いますが、MacBook 12インチ(2016年モデル)ユーザーである自分から言わせてもらうと、もはやほとんどの人にとってMacBook Pro 13インチは必要ないと考えています。
今回はその理由について詳しく述べていこうと思います。
MacBook 12でも十分すぎるスペック
自分はもともとMacBook Pro Retina 13インチ(2013年モデル)を使用していたのですが、性能には特に不満はなかったものの、よく持ち運ぶ自分にとっては重さに不満があり、結局MacBook 12に買い換えるに至りました。
結果的に買い替えてみて思ったのはいい意味でMacBook Pro Retina 13とほぼ変わらぬ使い勝手だったということです。
実際にその性能の測定なども行ってみましたが、MacBook 12(2016年モデル)はMacBook Pro Retina 13(2013年モデル)に近い性能を実現していることもわかりました(詳しくは以下の記事参照)
自分は普段、Safariで5〜10ほどのタブを開いている状態で、ブラウザ上のWordpressで記事執筆を行い、夜フクロウでTwitterのリアルタイム表示やFinder、Feedly、メモなどを起動しており、時々その状態でPixelmatorやSkitchで画像編集などを行っていますが、一度足りとも性能に不満を感じたことがありません。
試しにiMovieで2つのフルHD(1920×1080)動画をピクチャインピクチャで同時表示しながら両方にリアルタイムにエフェクトをかけてみましたが、コマ落ちすることなく、スムーズに再生できていました(しかも上記アプリを起動している状態で)。
正直言ってこれほどのことができるのならほとんどの人にとってMacBook 12でも十分すぎる性能なのではと思いますね。
MacBook 12よりも重くPro 15より性能が低い中途半端なPro 13
MacBook Pro 13インチの立ち位置はMacBook 12よりも重い代わりに性能が高く、MacBook Pro 15インチよりも性能が低い代わりに携帯性に優れるというものでしょう。これは新型が発売されても変わらないことでしょう。
一見するとMacBook Pro 13インチはMacBook 12とMacBook Pro 15の中間を担うちょうどいいモデルのように思えますが、問題は性能が下なはずのMacBook 12でもスペックが十分すぎるレベルに達しているという点です。
MacBook 12は非常に軽量で、携帯性に優れており、性能もほとんどの人にとって十分なレベルに達しているとなると、MacBook Pro 13を買う意味というのはその十分な性能以上のものを求める場合かインターフェイスの豊富さくらいしかありません。
インターフェイスに関してはひとまず置いておくとしまして、性能という点に注目しますと、たしかにMacBook Pro 13のほうがMacBook 12より性能は良いです。
しかし、MacBook 12で上記のようなことができるのにそれ以上のことを求めるという人はきっとより高度な動画編集作業や高画質なゲームを快適に行いたい人などでしょうからおそらくMacBook Pro 13でも物足りないのではないかと思われます(ちなみにMacBook 12でもMinecraft程度ならわりと快適にできます)
そういう人は素直により高性能なMacBook Pro 15インチを買ったほうが早いのではと思いますね。実際MacBook Pro 15インチと13インチは同じProモデルですが、13インチは内部GPUなのに対し、15インチモデルは外部GPUを搭載可能で性能にはかなり大きな差があります。
性能重視な人は下手に中途半端なスペックのPro 13インチを買うより15インチを買ったほうがよっぽど快適に使用できることかと思います。
※11/27追記
新型MacBook ProやMacBook 12などのCPU・GPU性能を比較した記事を公開しました。
この性能比較ではやはり新型MacBook Pro 15が圧倒的に性能が高く、新型MacBook Pro 13との差は非常に大きいことがわかります。
MacBook Pro 13唯一のメリットはインターフェイス
MacBook Pro 13を買う唯一のメリットは豊富なインターフェイスでしょう。
現行モデルだと、USB 3.0×2、HDMI、SDXCカードスロット、ヘッドホンジャック、MagSafe 2と十分なインターフェイスです。
新型モデルでは、USB-C×4、ヘッドホンジャックになるものと思われており、さらにUSB-CがThunderbolt 3に対応すれば拡張性はMacBook 12よりも格段に上になります(Thunderbolt 3の詳細は以下記事参照)
しかし、これは時間の問題で、MacBook 12もそのうちThunderbolt 3に対応することは間違いないでしょう。
そう考えると、インターフェイスの面でもMacBook 12と大差があるようには思えません。
MacBook Pro 13は誰が買うべきなのか?
ではこれまでの結果からMacBook Pro 13はいったい誰が買うべきなのかを考えてみます。
これまでの話をまとめますと、性能面ではMacBook Pro 13の立ち位置は
MacBook 12<MacBook Pro 13<<MacBook Pro 15
ですが、一番下のMacBook 12でも十分な性能で、ほとんどの人にとってMacBook 12で事足ります。またMacBook Pro 15とは大きな差があり、本当に性能を求める人には15インチのほうがおすすめです。
では、MacBook Pro 13はいったいどういう人が買うべきなのかといいますと、
ある程度高度な作業、高画質なゲームをしたいけど、なるべく携帯性が良いほうがいい
という人向けでしょう。
この「ある程度」というのがなかなか難しい判断基準となるでしょう。
特に高度な作業をするつもりのない人は素直にMacBook 12を買うか、より安価なMacBook Airあたりがおすすめでしょう。
ほんとに高度な作業をする予定の人はMacBook Pro 15かMac Proあたりがおすすめでしょう。
もちろんApple製品でなく、Blade StealthなどのゲーミングノートPCという選択肢もあります。
結果的に言えるのは、とりあえずMacBook Pro 13インチを買う予定の人は単純に性能が高いから、新しいからで購入するのではなく、冷静な視点で本当にこのPCが自分に適しているものなのかよく考えた上で購入の判断をしてほしいということですね。
経験上、MacBookはどの製品でも買って後悔するものではありませんが、多くのPCの性能が十分なレベルに達している今、目新しさなどにつられず、それが自分にとってオーバースペックとなっていないかしっかり見極めることが重要となるでしょう。
コメント
お使いになっている実感を非常に興味深く読ませていただきました。
MacBook気になっています。新型Proが出ましたが、13タッチバー無しを選ぶくらいなら断然こっち(12)のほうかな、などと思い巡らせながら楽しんでいます。
面白い記事をありがとうございます。
ライオンさん
喜んでいただけたようで何よりです^_^
12インチにはUSBがないことも触れた方がいいのでは?
堺純一さん
>12インチにはUSBがないことも触れた方がいいのでは?
一応「MacBook Pro 13の唯一のメリットはインターフェイス」のところで、”USB-CがThunderbolt 3に対応すれば拡張性はMacBook 12よりも格段に上になります”とそれらしいことをほのめかしてはいます(直接は言っていませんが)
特にMacBook 12にフルサイズUSBがないということは同ブログで何度も指摘しており、広く知られていることかと思いますのであえてこの記事でその点を説明する必要性は感じていません。
購入する人もそのデザインからフルサイズUSBが搭載されていないということを知らずに購入するという人はほとんどいないでしょうから。
その点ご理解いただければと思います。
この記事を読んでMacBook12 2016 m7を購入さましたが、性能と軽さに満足しています。
この記事が役に立ったようでなによりです^_^
Mac初心者です。MacBook12(2016)m7を購入して間違いなかったなと、記事を読んで再確認できました。
takamachさん
ほんとにMacBook 12 2016の性能で十分なんですよね。
たいていの場合、MacBook 12を選べば間違いないと僕も思いますね。
私は、12も否定しません。もし財力が両方あればどっちも買います。
で、誰が13を買うのか?私です。
まあ、中途半端というのはコップの水の見方と一緒で、
両方のいいとこ取りでもあるのです。
15より軽く、安く、12より大きい分使い勝手がいい。
15は幾ら何でも高い上にオーバースペックです。
でも、デモ機で試しましたが、私はアプリもガンガン立ち上げて
使うのでうが、12では力不足、でも13ならしっかり使えます。
ということで、本当はデータ共有させて、外出先でテキストを扱いながら
ネットサーフするだけなら12を持ち、ガリガリ動かすなら13
(15でしょうけど、買えないんです!20万は巨大な壁です)
が理想ですが、それこそ2台も買えないので、13で
軽くて持ち運べるし、値段も自分の上限だし、何をしてももたつかないし、
画面もキーボードも扱いやすいしといいところどりです。
という人が買うのだと思います。実は初めてノートパソコンが出た時、
PowerBookも170は買えないので、140買いましたが、最上位の財力がなく、
1台でまかなわなくてはならず、下のモデルでは力不足の私は
(両方持てれば軽いのも欲しいですが)
MacBook Pro 13 TouchBar非搭載モデルですが、大満足です。
2012 / 2008 /2004 / 2000
Powerbook 140 / 520c / 5300 / 3400 /
MacBook Pro x 3年おきに1台と乗り継いできましたが、
自分の中では 1位 MacBook Pro 140 2位 MacBook pro 2016 13 3位Powerbook 520c
と歴代第3位のモデルです。
Markさん
熱のこもった素晴らしいご意見ありがとうございます。
記事では批判的な意見を述べていますが、自分はMacBook Pro 13を決して否定したいわけでなく、むしろ高性能かつ軽量性、コンパクトさを備え、Touch barやTouch ID、Thunderbolt 3などの機能性、拡張性も優れた素晴らしい製品だと思っています。
ただ、比較的多くの人にとってはMacBook 12で十分な性能であるということを述べたいだけなのです。
おそらくMarkさんはパソコンを購入する際に必ずこれをやるという具体的な目的があり、それを行うにはある程度高めのスペックが要求されることを知っているという方だと思いますが、パソコンを買う際に実際にそこまで考えて買う人はむしろ稀です。
これは自分が過去に家電量販店でパソコンの販売員をやっていた経験からわかることなのですが、大半の人たちはパソコンを買う目的が意外とあいまいで、スペックだとか周りの評価だとかに流されて買ってしまう人たちが多いのです。
そのような人たちが、仮にMacBook Pro 13を買った場合にとりあえず買ってみたはいいものの実はMacBook 12で事足りることばかりしかしていない、ということになってしまわないように自分のパソコンを使う目的に見合うのか、それを購入前に今一度冷静に考えてほしいという意図でこの記事を作ったのです。
実際、純粋に軽さとコンパクトさを求めるならMacBook 12に勝るノートPCはなかなかありませんし、性能も何度も述べているようにこれで十分な場合が大半です。
少し熱く語ってしまいましたが笑
伝えたいことは以上になります。