Appleは9月9日に開催したSpecial EventにてiPad Proを正式発表しましたが、正直なところ自分はiPad Pro買うならSurface 3を買ったほうがマシだなと思いました。
今回はそう思った4つの理由について述べようと思います。
スペック比較
OSがモバイル向け
一番決定的な理由はOSがMac製品に搭載されている「OS X」ではなく、「iOS」である点です。一時期iPad ProはOS Xが搭載されるという噂がありましたが、いつの間にやらその噂は消えていました。
iOSはiOS9でマルチタスキングができるようになり、多少はPCに近づきましたが、あくまでモバイル向けのOSです。普通のPCでできることが全てiOSでできるわけではありません。
普通のPCにあって、iOSにはない大きな違いとしてはデータ管理の容易さがあります。普通のPCにはUSB端子がついていますし、データの移動もドラッグ&ドロップでできるので、データ管理が圧倒的に楽です。一応iOSでもデータ管理はできないことはありませんが、その使い勝手はPCよりもはるかに劣ります。
その点Surface 3はタブレットでありながらPC向けのOS「Windows」を搭載し、フルサイズのUSB端子もついていますので普通のPCのように扱うことができます。
性能はオーバースペック
iPad ProはA9Xチップを搭載し、性能が格段に向上しています。
CPU性能は前世代のA8Xチップから最大80%向上し、GPU性能に至っては最大2倍にまで向上しています。
しかし、2世代前のA7チップを搭載するiPad Airユーザーである自分から言わせてもらえば、正直iPad Airの性能でも十分です。高画質なゲームをやっているときもパフォーマンスに不満を感じたことはありません。
この性能を存分に発揮できるアプリはおそらく動画編集や3DCADなどを扱うプロフェッショナル向けのアプリくらいでしょう。ただ、iPad Proのメモリは4GBで、タブレットとしては十分ですが、プロフェッショナル向けという意味で考えると少し物足りない気がします。
Surface 3はAtom x7を搭載し、メモリは最大4GBで、たしかに性能ではiPad Proには劣るかもしれませんが、Windowsを搭載して、10インチのコンパクトサイズなので、タブレットPCとして十分なスペックと言えるでしょう。
大きい
iPad Proは12.9インチを搭載しており、サイズがかなり大きめです。
10.8インチのSurface 3より大きいのはもちろん、12インチのSurface Pro 3よりも大きいです。サイズで言うとMacBook Pro Retina 13インチとほぼ同じ大きさです。重さもSurface 3よりも重いです。
画面が大きいことはメリットでもありますが、同時にデメリットでもあります。
このサイズなら自宅で使う分には問題ないと思いますが、外出先で使うなら同じサイズでより多くのことができるOS X搭載のMacBookか、よりコンパクトでWindows搭載のSurface 3のほうがマシでしょう。
例えば外出先で、データを転送したいとき、USB端子のあるMacBookやSurface 3のほうがさっとデータ転送ができます。iPad Proでもできないことはないでしょうけど、それにはネットかLightning対応のUSBメモリなどが必要です。クラウド全盛の時代とは言ってもまだまだ物理的な接続のほうが手軽な場合が多いです。
iPad ProにOS XとUSB-Cポートでも搭載されれば話は別だったと思うのですが…
高い
そして極めつけは値段が高いことです。
32GB/Wi-Fiモデルだと799ドル、日本ではおそらくiPad Air2 128GBより1万高い85,800円(税別)になると予想されます。十分高いですが、プロフェッショナル用途では32GBは少し物足りない容量です。
128GB/Wi-Fiモデルは949ドル、日本では32GBモデルより1万5千円高い108,000円(税別)になると予想されます。この値段なんとMacBook Air 11インチよりも高いです。
LTEモデルだともっと高い1079ドル、日本円で約12万円(税別)ほどになります。
しかもこの上、専用のキーボード(169ドル)やスタイラスペン(99ドル)は別売で、両方買うと合計で259ドル、日本円だと約3万円(税別)もします。
128GB/Wi-Fiモデルとキーボード、スタイラスペンを合わせると驚きの138,000円(そして税別)!
MacBook Pro並の価格です^^;
Surface 3は日本ではLTEモデルしか一般販売していないので、やや高めではありますがそれでも128GB/LTEモデルは税込価格で93,744円です。iPad Pro 32GB/Wi-Fiモデルの予想税込価格92,664円とほぼ同じ値段です。
ほぼ同じ価格なのに容量はSurface 3のほうが約100GB多く、LTEにも対応しています。
まとめ
いろいろ述べましたが、Surface 3より見劣りした一番の原因はなんといってもOS Xが搭載されていない点でしょう。これが搭載されるだけで、自分がいままで述べた理由を全て逆転させてもいいくらいです。それくらいiPad ProにOS Xが搭載されることに期待していました。
しかし、残念ながらOS Xは搭載されませんでした。
ただ、散々な評価をしてきましたが、純粋に大きいタブレットとして使いたいという場合やイラストや3DCADなどの用途で使いたいのであれば、全然アリなタブレットだと思います。
当然Appleもそういう人たちに向けてこのiPad Proを作ったのでしょう。
今回の内容はPC的な汎用性を求めるならMacBookやSurfaceを買ったほうがいいというだけで、iPad Proに価値を見出したのならば十分買う価値はあるものだと考えています。
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