自分はパソコンにある程度詳しいため、よく周りの知り合いからパソコンの購入相談を受けます。
先日もパソコンを購入したいという知り合いから購入相談を受けたのですが、その知り合いが家電量販店の販売員から聞いたという内容があまりにも衝撃だったので紹介しようと思います。
明らかに高額な家電量販店のPC
知り合いは家電量販店で選んだPCとして富士通の「AH50/E3 FMVA50E3W」が良いかなと思ったとのこと。
主なスペックは
- ディスプレイ:15.6インチ/1366×768ピクセル
- CPU:第2世代 AMD Ryzen 7 3750H
- メモリ:8GB
- ストレージ:256GB(SSD)
- 付属ソフト:ウイルス対策ソフト マカフィー(3年分)、Microsoft Office 2019 Home and Business対応
となっており、まあまあなスペックです。
気になる価格はというと11万円
まあ自分なら買わない製品であることは間違いないです。
使用用途を聞く限りだと、主にネット検索、動画視聴、年賀状作成、オフィス使用などの用途しかないとのことだったので、明らかにオーバースペックであることが判明。
もっと安い値段で良いPCがあると思ったので調べてオススメだったPCがDellの「Inspiron 14 5000 プレミアム」でした。
主なスペックは
- ディスプレイ:14インチ/1920×1080ピクセル
- CPU:第3世代 AMD Ryzen 5 4500U
- メモリ:8GB
- ストレージ:256GB(SSD)
となっており、ディスプレイは先ほどより高精細に、CPUは最新の第3世代AMD製CPU、メモリ、SSDはほぼ同じと先ほどの上位互換のようなモデルです。
気になる価格はというと約4万9000円、先ほどの11万円のPCの半額です。
ただし、標準では付属ソフトにMicrosoft Officeはなく、パワポまで使えるHome and Businessの場合は+3万円のオプションを追加する必要があります。
しかしそれでも7万9000円、明らかに富士通のPCを買うよりお得です。
自分にとってはもう当たり前のことなのですが、家電量販店のPCは基本的にネットで購入するより高額なものが大半です。しかも新型モデルであってもCPUは1世代前のものを使っているということがよくあるので、PC本体が新型でもCPU性能は1世代前、しかも価格は最新CPUを搭載するネット販売モデルより高額なんていうのが当然の世界です。
実際上で紹介した富士通のPCは2020年10月発売モデル、DellのPCは2020年6月発売モデルですが、新しいはずの富士通のPCには第2世代のAMD製CPU、それより4ヶ月前に発売されたDellのPCには第3世代のAMD製CPUが搭載されています。さらに細かいスペックではメモリ速度は富士通がDDR4 PC4-19200、DellはDDR4 PC4-25600となっており、Dellの方が約30%高速です。メモリの速度というのは初心者にはよくわからないかもしれませんが、実はPCの性能を大きく左右する重要スペックで、メモリ容量より重要だったりします。そうした細かいスペックでもDellの方が上なのです。
さらにもっと細かい話をすると富士通のPCはプラスチック製ですが、DellのPCはアルミ製で剛性が高く放熱性にも優れているので、CPUパフォーマンスが安定しやすく丈夫です。
Dellは世界トップクラスのパソコンシェアを獲得している世界的大企業であり、ネット販売特化や徹底的なコスト削減と高品質さの両立によってこのような安さ・品質で提供することができています。
このように家電量販店で買うのとネットで購入するのではスペックも価格もまるで違います。この事実を知らない人が意外と多いので、家電量販店でパソコンを買う人は絶えないのでしょう。
ちなみに自分は家電量販店はパソコンの実物に触れて、その使い勝手を確認するために行くところでパソコンを購入しに行くところではなくなっています。
詐欺まがいのセールストーク
そういうわけで自分は絶対に家電量販店でパソコンを購入することはないのですが、知り合いが家電量販店の販売員の人から聞いた話にとても衝撃を受けました。
一応知らない人のためにCPUの話を軽くしておきますと
現時点(2021/2/28)でパソコン向けにCPUを製造するメーカーは主にAMDとIntelの2社で
AMDがRyzen 3→5→7→9
IntelがCore i3→i5→i7→i9
といった感じで性能が上がっていきます(厳密にはもっと細かいのですが長くなるので省略)
知り合いの使用用途を考えますと、
Ryzen 3/Core i3くらいでも全然余裕なのですが、家電量販店の販売員の人いわく
「Ryzen 3/Core i3だと2、3年後に(性能が)微妙になってくる」
と話したらしいのです。
個人的にはこれがとても衝撃的でした。
というのもCPUの性能は基本的に劣化しません。劣化するとすれば長期間使用してパソコン内部にホコリがたまってファン経由で熱を逃しにくくなったときくらいです。それはもちろん全てのCPUで起こるのでRyzen 3やCore i3に限った話ではありません(むしろRyzen 3やCore i3は他の高性能CPUより発熱が少ないので逆に熱による劣化が起こりにくい)
そして、現時点のCPUは性能が十分すぎるほど高くなっているので使用用途が知り合いのようなネット検索、動画視聴、オフィス使用程度では全く問題なしというかむしろオーバースペックなくらい性能があり余っています。
そういう使用用途の人は何年経っても基本的に同じ用途でしか使用しないので、性能が微妙だと思うことは途中で動画編集に目覚めて凝った動画を作りたくなったりしない限りあり得ないわけです。
いずれにせよRyzen 3やCore i3が2、3年後に性能が微妙になるという話は、知っている人間からすると全く意味が分からない話で消費者に高額な商品を買ってもらうための嘘の発言のように思えます。その販売員がどこまで理解しているのかは不明ですが、こんなことを言う人がいることに驚きです。
謎すぎる高額な初期設定手数料
さらに驚いたのが家電量販店に初期設定を頼む際の手数料が高すぎるということです。
確かに知らない人からすれば初期設定はやってくれた方が楽でしょう。
これはまだわかります。初心者は何をすれば良いのか分からないので、ある程度詳しい人に任せたほうが安心でしょう。
しかし、驚きなのがその金額。
なんと3万円…
3000円の聞き間違いかと思いましたが、3万円らしいです。
初期設定をやったことある人ならわかると思いますが、あの作業をするのに10〜20分あれば終わります。しかも重要なのはパソコンに設定する名前とパスワード、Wi-Fiの設定くらいで、他は分からなければ「次へ」ボタンを押し進めていけば終わります。
Wi-Fiの設定は自宅にあるWi-Fiルーターのパスワードを入力する必要があるので、これはどちらにせよ店員さんは知らないので自分で行う必要があります。
一昔前のパソコンとは異なり、最近のパソコンは初期設定が簡単にできるようになっており、分からない人でも進めやすくなっています。
今どきはネットでやり方を調べることもできるので、分からなければスマホなどで調べれば良いです。
そんな単純で簡単な作業に手数料3万円取るとか嘘でしょ!?とびっくりしましたが、どうやら本当らしいです。
どんだけだまし取る気満々なんだ家電量販店…と思いましたね。
ちなみに自分も家電量販店の販売員をやっていた経験がありましたが、実際にやってみて思ったのは
パソコン販売員は思いのほかパソコンのことに詳しくない
ということです。
自分が「最新CPU出ましたよね!」と話をしようものなら頭に「?」がついて終わりです。CPUの型番の法則性を理解していない人もいました。
あと、パソコン販売員はその店舗にあるパソコンの販売に特化している人間です。そこにあるパソコンのことは詳しく知っていますが、そこにないパソコンについては全くの無知です。ネットでこういう製品があるということも知らない人もけっこういました。
自分がいた店舗がたまたまそうだったのかもしれませんが、今回の知り合いの話を聞く限りそこまで詳しくないという人が販売員をやっているというのもあながち珍しいわけではないのかもしれません。
結論
色々語りましたが、自分が言いたいことは一つです。
家電量販店ではパソコンを買わない方がいい
これだけです。
初期設定はそこまで難しくありませんし、基本的に一人でできます。分からなければネットで調べることもできます。
どのパソコンを選べば良いのか分からなければ、個人的にはとりあえずDell(デル)をオススメしておきます。このメーカーは低価格でありながら品質が高いメーカーとして有名なので、迷ったらとりあえずこのメーカーから選んで損はないでしょう。
逆に推奨しないメーカーはASUSです。スペックの割に非常に安いので何度かこのメーカーからパソコンを購入していたのですが、キーボードやタッチパッドの故障率が非常に高かったメーカーです。ハイエンドモデルはそれなりに品質が良いようですが、低価格モデルは価格相応かそれ以下です。
それでも家電量販店で買いたいという場合は絶対に無駄に高い初期設定手数料は支払わないようしておくこと、話すときは信頼出来そうな販売員に聞いてみる、などを意識した方が良いでしょう。
別に質問するだけなら無料なので、聞きたいことだけ聞いて、後でネットで注文するというのが一番良いかもしれません。
場合によっては販売員があの手この手で買わせようとしてくるかもしれませんが、その時は「検討します」と言って断れるようにしておいた方がいいです。
パソコンを購入する際の参考になれば幸いです。
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