最近何かと不穏なニュースが多いAppleですが、個人的にも正直Appleは最近迷走しているなと感じるところが多々あります。
今回は2018年現在のApple製品ラインナップを元にその理由について語っていこうかと思います。
Apple製品一覧
Appleのおおまかな販売製品ジャンルは以下の通りです。
- iPhone
- iPad
- Mac
- Apple Watch
- Apple TV
- HomePod
今回はこの中のiPhone、iPad、Mac製品に焦点を置いて考えます。
iPhoneラインナップ
まずは最近大問題のiPhoneの現行ラインナップから
現在Appleストアにて販売されているのが以下のとおりです。
- iPhone XS
- iPhone XS Max
- iPhone XR
- iPhone 8/8 Plus
- iPhone 7/7 Plus
それぞれの立ち位置を個人的に分析したのが以下の通り
- iPhone XS ← 5.8インチ、12万〜、iPhone Xの後継、今のメイン、富裕層&物好き向け
- iPhone XS Max ← 6.5インチ、13万〜、iPhone XSの大型版、とにかく大画面向け
- iPhone XR ← 6.1インチ、9万〜、XSより大きくXS Maxより小さい、XSより安いが旧モデルより高め、謎の立ち位置
- iPhone 8/8 Plus ← 4.7/5.5インチ、7万〜、1世代前モデル、なるべく安く性能良いiPhone欲しい人向け
- iPhone 7/7 Plus ← 4.7/5.5インチ、5万〜、2世代前モデル、現行唯一のアルミ筐体、現行最も安いiPhone
iPhone XSやiPhone XS Max、iPhone 8/7までの立ち位置はよくわかります。
iPhone XSがメインで、XS Maxが大画面派の人、そしてどちらも12万超えで富裕層か物好きくらいしか手を出せない代物です。これはまだわかります。
iPhone 8/7も旧モデルですが、十分高性能で、8がなるべく安く、無線充電や高画質カメラ、性能の良いiPhoneが欲しい人向け、7は無線充電なしのアルミ筐体でとにかく低価格で使い勝手の良いiPhoneが欲しい人向けでしょう。これもまだ販売を続ける理由はわかります。
最も謎なのがiPhone XR。こちらはXSより大きくXS Maxより小さい6.1インチ、売り?である価格は9万で旧モデルより全然高く、とてもじゃありませんが安いとは言えない代物。ほんとはXS欲しいけど、さすがに12万は出せない、でも9万なら出せる、なるべく価格を抑えて最近の機能搭載のiPhoneが欲しい、画面サイズは特に気にしない、あるいは大きい方が良い人向け。
明らかにXRだけターゲット層が複雑なことになっています。これでXSと同じ5.8インチならXSの低価格モデルという位置付けでまだわかるのですが、6.1インチであることで複雑さが増しています。しかも9万とそこまで安くはない。立ち位置がすごい微妙なのです。
そのせいなのかiPhone XRの売上はあまり芳しくない状況で、最近Apple自ら各携帯キャリアに補助金を提供し、ドコモでは一括9万5千円だったのが実質2万5千円で購入できるという状況となりました。
少なくともiPhoneに関してはかなり迷走していることが、最近の報道からも分かります。
iPadラインナップ
次にiPadの現行ラインナップです。
投稿時現在Appleストアで販売されている製品一覧がこちら。
- iPad Pro 12.9インチ
- iPad Pro 11インチ
- iPad Pro 10.5インチ
- iPad 9.7インチ
- iPad mini 7.9インチ
それぞれの立ち位置を個人的に分析したのが以下の通り
- iPad Pro 12.9インチ ← 12万〜、最も大型のiPad、自宅メインでの使用、プロ向け
- iPad Pro 11インチ ← 9万〜、現行メインのiPad、最新スペックが欲しい、持ち運びもする人向け
- iPad Pro 10.5インチ ← 7万〜、旧モデルiPad、なるべく安く高性能なiPadが欲しい人向け
- iPad 9.7インチ ← 4万〜、最も低価格なiPad、Apple Pencilを低価格で使いたい、低価格で十分な性能のiPadが欲しい人向け
- iPad mini 7.9インチ ← 5万〜、最もコンパクトなiPad、片手持ちをよくする、電子書籍として使いたい人向け
こちらは非常に立ち位置がわかりやすいです。
iPad Pro 11/12.9インチは最新モデルで、画面サイズの違いで持ち運ぶか自宅使用メインか、大画面を求めるプロ向けか程よいサイズの画面を求める人かで、明確に差別化されています。
iPad Pro 10.5インチは旧上位モデルです。1年前の上位モデルなので、十分な性能を発揮し、最新モデルほどの大幅な進化も気にしないという人向けでターゲット層はそこまで多くはなさそうなものの、旧モデルなので一部のターゲット向けにとりあえず販売している感じでしょう。
iPad 9.7インチは明らかな低価格モデルです。性能も申し分なく、Apple Pencil対応と適度に必要なスペックだけを備えたモデルでとりあえずiPadを使ってみたい層にはピッタリなモデルです。
iPad mini 7.9インチは最もコンパクトなモデルでいまだ根強いファンがいます。片手持ちができるサイズと軽さで、電子書籍用途なら十分な性能があります。
iPadのラインナップはまだ明確でわかりやすいです。iPhoneもこのようにわかりやすくすればいいのにと思わざるを得ませんね。
Mac製品ラインナップ
MacのラインナップはおおまかにMacBook、iMac、デスクトップMac(Mac mini/Mac Pro)でわかれています。
それぞれの現行ラインナップは以下の通りです。
MacBook
- MacBook 12インチ
- 旧MacBook Air 13インチ
- 新MacBook Air 13インチ
- MacBook Pro 13インチ タッチバーなし
- MacBook Pro 13インチ
- MacBook Pro 15インチ
iMac
- iMac 21.5インチ
- iMac 21.5インチ 4Kディスプレイ
- iMac 27インチ 5Kディスプレイ
- iMac Pro 27インチ
デスクトップMac
- Mac mini
- Mac Pro
それぞれの立ち位置の分析が以下の通り
MacBook
- MacBook 12インチ ← 15万〜、920g、最もコンパクトかつ軽量なMacBook
- 旧MacBook Air 13インチ ← 10万〜、1.35kg、非Retinaで最も低価格なMacBook
- 新MacBook Air 13インチ ← 14万〜、1.25kg、Touch ID搭載で少し軽量なMacBook
- MacBook Pro 13インチ タッチバーなし ← 15万〜、1.37kg、コンパクトかつ低価格、そこそこ高性能なMacBook
- MacBook Pro 13インチ ← 21万〜、1.37kg、携帯性に優れた4コアCPU搭載の高性能なMacBook
- MacBook Pro 15インチ ← 28万〜、1.83kg、6コアCPU&外部GPU搭載の最も高性能なMacBook
iMac
- iMac 21.5インチ ← 13万〜、最も安いiMac
- iMac 21.5インチ 4Kディスプレイ ← 15万〜、4Kディスプレイ、4コアCPU&外部GPU搭載のiMac
- iMac 27インチ 5Kディスプレイ ← 21万〜、5Kディスプレイ、4Kより高性能なiMac
- iMac Pro 27インチ ← 60万〜、最大18コアCPU搭載可能な全Mac製品で最も高性能なiMac
デスクトップMac
- Mac mini ← 9万〜、全Mac製品で最も安い、最大6コアCPU搭載可能
- Mac Pro ← 32万〜、5年前からほぼ放置のMac製品、フルスペックMac miniより性能が下
まずiMacから考えてみます。
iMacのラインナップはシンプルでiMac 21.5<iMac 21.5 4K<iMac 5K<<iMac Proという性能順になっていることがわかります。単純に性能を求めるなら後者、低価格なiMacを求めるなら前者ということになるでしょう。
次にデスクトップMacです。
こちらはMac miniとMac Proの2つしかありませんが、Mac Proがしばらく放置状態なせいで実質Mac mini一択な状況です。それを考慮してかMac miniは9万円からと最も低価格でありながらフルスペックならMac Pro超えと低価格向けからプロ向けまで幅広くカバーしています。なぜいまだに5年前のMac Proを32万で販売しているのかは謎です。
続いてMacBookです。
こちらは新たに発売されたMacBook Airの登場でかなりラインナップが複雑になりました。
まずMacBook 12インチは明確でとにかくコンパクトかつ軽量なMacBookです。携帯性を再重視するならこのMacBook一択です。
次にMacBook Proは13インチと15インチに分かれ、13インチはさらにTouch barの有無でわかれています。これまでは15インチと13インチに大きな性能差がありましたが、今年から13インチが大幅強化され、Proと名乗れるスペックとなりました。性能順で言うとMacBook Pro 13 バーなし<MacBook Pro 13<MacBook Pro 15となっています。
そしてMacBook Airは新モデルと旧モデルが存在し、旧モデルは唯一非Retinaディスプレイの最も低価格なMacBookの位置づけです。厄介なのが新MacBook Airで、MacBook 12の920gより大幅に重く、MacBook Pro 13の1.37kgと大きな差はない1.25kgの重さや両モデルとそこまで差がなく安くもない14万円という価格、MacBook 12と同等クラスのCPU性能という非常に中途半端なスペックとなっています。重さも価格も性能も他モデルと差別化しにくく、明確に差別化できるのはTouch IDの有無かインターフェイスくらいです。何が「Air」なのかさっぱりわからないモデルです。
これで次期MacBook 12などにTouch IDやThunderbolt 3がついて同等以上の性能になったらほんとになんのためにこの製品あるの?と言わんばかりの製品になります。
iPhone XRの発売と同じくらい謎な製品ですね。
まとめ
とりあえずまとめてみて思ったのはAppleはiPhoneとMacBookのラインナップで迷走しているなということです。
わりと原因はシンプルで
iPhoneはXSとXS Maxの中間の6.1インチサイズで価格も9万と安くないiPhone XR
MacBookはMacBook Pro 13インチ寄りの重さながらMacBook 12よりかなり重く、性能はMacBook 12インチ寄りで14万円と安くない新型MacBook Air
と最近発売したこの2つの製品の存在がラインナップを複雑化している要因と考えられます。
むしろこの2モデルを発売しなかった方が良かったんじゃないかと思えるくらいですね。
iPhoneは一部で待望されているiPhone SEの後継モデルを発売して、MacBookはMacBook 12とMacBook Pro 13の価格を下げるかTouch ID搭載にした方がラインナップも明確になりますし、良かったんじゃないかと…
まあその辺りは今回起こった騒動を機に修正されていって欲しいものです。
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