つい先日、突然13インチMacBook ProとAirがアップデートされましたが、その影で12インチMacBookがひっそりとラインナップから姿を消しました。
自分は12インチMacBook 2016年モデルを長年愛用しており、落としてディスプレイが壊れるまでずっとメインで使い続けてきました。それまでMacBookを何度か買い替えてきましたが、その中でも12インチMacBookはまさに自分にピッタリな製品で過去最高の使い勝手を実現したMacBookだと感じていました。
そんな自分が今回の12インチ販売終了について思うことについて語っていこうと思います。
最軽量のMacBookが消えた
12インチMacBook最大の特徴はなんと言ってもその軽量さ。
現行13インチMacBook Proが1.37kg、MacBook Airが1.25kgなのに対し、12インチMacBookは920gと圧倒的に軽く、1kgを切る唯一のMacBookでありました。それに加え、本体サイズも全MacBookの中で最もコンパクトで、最も薄い13.1mmだったため携帯性にも優れる製品でした。薄型軽量ながらバッテリー駆動時間も約10時間と優秀で、実際にフル充電すれば1日は電源アダプタなしでも余裕で持つような電池持ちを実現していました。
よく外出先で作業をし、携帯性を何よりも重視する自分としてはこれほどまでに使い勝手の良いMacBookはありませんでした。
そんなMacBookがラインナップから姿を消したというのは悲しいのですが、現状のラインナップを見る限りAppleがそう決断するのも仕方ないように思います。
ラインナップの整理のために必要だった?
正直なところMacBookのラインナップはやや複雑化し過ぎていました。
12インチMacBookが存在していた頃のMacBookのラインナップは主に
- MacBook Pro 15インチ
- MacBook Pro 13インチ Touch Barあり
- MacBook Pro 13インチ Touch Barなし
- MacBook Air 13インチ Retina
- MacBook Air 13インチ 非Retina
- MacBook 12インチ
といったものになっていました。
問題は13インチ周りのラインナップで
性能はPro 13 TBあり > Pro 13TBなし > Air 13 Retina > MacBook 12 > Air 13
価格はPro 13 TBあり > Pro 13TBなし = MacBook 12 ≒ Air 13 Retina >> Air 13
重さはPro 13 TBあり = Pro 13TBなし ≒ Air 13 > Air 13 Retina >> MacBook 12
という感じでTouch BarやTouch ID有る無しなどもモデルによってバラバラで、Appleらしからぬ複雑極まりないラインナップになっていました。
これが今回のアップデートでラインナップが
- MacBook Air
- MacBook Pro 13インチ下位
- MacBook Pro 13インチ上位
- MacBook Pro 15インチ
となり
性能 Pro 15 > Pro 13上位 > Pro 13下位 > Air 13
価格 Pro 15 > Pro 13上位 > Pro 13下位 > Air 13
重さ Pro 15 > Pro 13上位 = Pro 13下位 > Air 13
とシンプル明快なものになりました。しかもTouch BarはProモデルに全て搭載されたので、ProはTouch Bar搭載、AirはTouch IDのみと明確に違いがわかります。
購入する側の人間としてはこちらの方がシンプルで選びやすいことは間違いないでしょう。
携帯性を求めるならiPad?
このラインナップで最も大きいことは携帯性にとても優れたデバイスが消えたことです。
昨今では1kgを切るパソコンも多くなってきている中、新たなMacBookのラインナップは最軽量がAirの1.25kg。これは特別携帯性が悪いというわけではありませんが、920gのMacBook 12インチに劣ることは確か。携帯性を求めるユーザーにとってはこのラインナップはやや残念なように思います。
しかし、もしかするとAppleは携帯性を求めるユーザーに対してはiPadを推奨するつもりなのかもしれません。
iPadは最軽量は7.9インチのminiで300g、11インチのiPad Proでも468gとMacBookより圧倒的に軽量です。それに最近Appleは明らかにiPadに力を入れており、新たなiPadOSではもはやPCと同等クラスの使い勝手を実現しています(beta体験談)
実際、自分はもうすでにほぼ全ての作業をiPadに移行しており、MacBookを持ち歩くことはなくなっています。いまだにどうしてもMacBookでなければならない作業(iPhoneやiPadのバックアップなど)はありますが、それはもはやMacBookである必要はなく、Mac miniなどを自宅において使う方が良いかなと思ったりしています。
そうした意味で考えると今回のMacBook 12インチの廃止は妥当なのかもしれません。
以前にAppleは主にプロ向けにのみMacを提供し、一般ユーザーにはiPadを使わせるようになると予想していましたが、本当にそうなってしまうかもしれません。怪物級の性能を持つMac Proを発表したのもそうした意図があるからと考えれば納得です。
個人的には新OSでMacのディスプレイをiPadに表示できるSideCarも登場したことですし、iPadと組みあわせて使えるスティック型のMac製品でも発売してくれれば最高だと思うのですが、どうなることでしょう。
今後のAppleの製品展開が気になるところです。
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