デジタイザとしても使える物理機構なしのフラットキーボードを搭載する2in1PCとして話題の「YOGA BOOK」ですが、実機に触れる機会があったので、気になるキーボードの使い心地や外観のレビューなどを行ってみました。
本物の本のような軽さと優れたデザイン性
YOGA BOOKは何と言ってもフラットキーボードが大きな特徴ですが、デザイン性も非常に良いです。
上画像のヒンジ部は特徴的なメタルバンド式となっており、スムーズな開閉としっかりとした固定感の両方を実現する優れたヒンジとなっています。
上面は落ち着いたマットな黒で仕上がっており、Lenovoのロゴがあるのみの非常にシンプルなデザインです。
Lenovoのロゴは本を意識してか縦持ちしたとき用に文字が揃えられています。
底面も上面同様マットな黒に仕上がっており、Windowsと認証用のロゴシールがあるのみとなっています。
側面のデザインも洗練されており、スペック上では全体で9.6mm、下部のクリエイトパッドは5.55mmに抑えられているなど非常に薄く仕上がっていることがわかります。
ちなみにこちらは3.5mmイヤホンジャック端子と電源ボタン、音量ボタンがあるのみです。
反対側は充電機能も兼ねたMicro USB 2.0端子、Micro HDMI出力ポートがあります。
重さは690gとキーボード搭載2in1としては非常に軽く、実際に持った感じもまるで同じサイズの本を持っているかのような軽さにまで仕上がっている印象でした。
意外に使えるタッチ式キーボード
YOGA BOOK最大の特徴でもあるタッチ式キーボードはこのように完全フラットなデザインとなっています。
デザイン性は非常によく、バックライトで文字を表示する仕組みとなっているので暗いところでも使えます。
気になる操作性ですが、意外にもけっこう使えます。
キーピッチが広く取られているためか、物理的な機構がなくとも文字入力のミスは少なく、タッチに合わせて振動するので、AppleのTaptic Engineのような本当にボタンを押した感じとまではいかないものの確かなタッチ感はあります。
操作性は物理的機構を搭載するキーボードにはさすがに劣りますが、タブレット上に表示されるソフトウェアキーボードよりは断然使いやすい印象ですね。
タッチパッドは滑らかで操作性がよく、こちらはかなり実用的に使えます。しいて言うならもう少し大きいほうが良かった感じがしますが、これでも十分使えます。
キーボード上部のペンボタンを押すとキーボードのライトが消え、デジタイザモードに切り替わります。
この状態ではペンタブレットのようにデジタイザペンを使用して、絵を描くことも可能なほか、付属する紙のノートを上に敷いて、付属の実際に書けるリアルペンを使えば、実際に紙に絵を描きながら同時に画面上にも同じ絵を表示することが可能となります。
これはなかなかユニークな機能でデジタイザペンで絵を描くのが苦手な人でも絵を描きやすくしたり、デジタル上にメモを取りつつその場で紙のメモをシェアするときなどにも便利そうです。
新たなPCの可能性を感じるYOGA BOOK
今回「YOGA BOOK」に触れてみて思ったのはこのフラットキーボードは新たなPCの可能性を感じるものだということですね。
近年薄型化が進むPCですが、物理的な機構を持つキーボードの薄型化がネックで、これ以上薄型化するのは物理的に難しい状態でしたが、このように十分使えるYOGA BOOKのフラットキーボードの登場で、このようなキーボードがこれから浸透していくのではないかと思えますね。
ちなみにAppleもすでにその方向へ動いており、iPhone 7の感圧ホームボタンやMacBookの感圧トラックパッドなど既に製品に搭載されている技術のほか、物理機構をもたない感圧キーボードの特許を取得するなどして着実に物理機構廃止へと進んでいるようです。
話が少しそれましたが、YOGA BOOKはCPUはAtom x5、メモリは4GBなので、高度な作業はできないでしょうけどWeb閲覧やWordなどでの文字入力などの作業をメインに行う人には十分なスペックでしょう。
重さは690gと非常に軽量ながらもバッテリー駆動時間は13時間と長めなので、外出先で上記のような軽度な作業やPCで絵を描く、メモを取るなどの作業を行いたい人にとっては良い製品なのではと思いますね。
コメント
手元を見ないでタッチタイピングはできそうでしたか…?
おとうふさん
一応タッチタイピングはできそうではありましたが、やはりタッチ式である以上、普通の物理機構をもつキーボードには劣りますので、そのあたりが気になるようでしたら店頭で実際に触れて自分に合うか確かめてみることをおすすめします。