iOS向けリズムゲーム「Tapt」を開発しているStephen Coyle氏は初代AirPods〜AirPods Proなどを含むワイヤレスイヤホンの遅延を測定した結果を公開しています。
第2世代よりさらに改善
同氏は遅延の正確な測定のためにタッチサンプルレート240HzのiPad Pro 2018とApple Pencilの組み合わせで、90bpmに設定したメトロノームで一貫したタイミングを維持しつつ、キーボード音と同氏開発のリズムゲーム「Tapt」で各10回再生した音をガンマイクで録音(キーボード音は最初の一回はレイテンシが発生するため無視)、それを平均して結果を出したとのこと。
その測定結果がこちら
測定結果は
- AirPods(第1世代):274ms
- AirPods(第2世代):178ms
- AirPods Pro:144ms
- Beats Studio 3:258ms
- SONY WH-CH700N:230ms
- 本体スピーカー:69ms
となっています。
第1世代AirPodsから第2世代になった際に音声遅延が274msから178msと大幅に改善されましたが、AirPods Proは144msとさらに遅延が短縮していることがわかります。また、他社製のワイヤレスイヤホンと比較するとAirPods Proは圧倒的に遅延が少ないことがわかります。しかし、当然ですが本体スピーカーから鳴る音の遅延よりは遅い結果となっています。
AirPods Proは第2世代AirPodsと同じH1チップを搭載していたので、遅延に特に変化はないかと思っていましたが、どうやら音質だけでなく遅延も改善していたようです。ただでさえ欠点の少ないAirPods Proがワイヤレスイヤホンの大きな欠点である遅延すらも改善し、より完璧な製品に近づいたようです。これなら動画視聴や通常のゲームプレイなどで遅延が気になることもほぼないかと思われます。
しかし、まだ音ゲーには向かないレベルの遅延でしょう。個人的な体験談ですが、遅延178ms(0.178秒)の第2世代AirPodsで音ゲーをプレイしたことはありますが、音楽とリズムアイコンのタイミングがズレすぎて正直ゲームにならないくらいの遅延でした。そこから約30ms低い144ms(0.144秒)のAirPods Proでは多少はマシになるとは思いますが、快適に音ゲーをプレイするにはまだまだな遅延だと思われます。
ただ、今回の結果からもAppleはワイヤレスイヤホンの遅延問題を改善させる方向に向かっていることは間違いなさそうです。将来的には本体スピーカーから鳴る音と大差ないレベルの遅延を実現するかもしれませんね。
参考:Stephen Coyle、APPL.Ch
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