IntelとMicronが共同で開発した現行のフラッシュメモリより1000倍の速さを実現する「3D XPoint Technology」は、Intel CEO クルザニッチ氏が「ここ25年で最大のブレークスルー」と呼ぶほど革新的な技術ですが、はやくもその試作品が開発されたようです。
サーバー向けSSDより最大7倍の速さを実現
Intelは開発者会議「Intel Developer Forum」において3D XPoint技術を使ったSSDの初期サンプルの性能を発表しました。
その性能をIntelが現在サーバー向けなどに提供している「Intel SSD DC P3700」のIOPS(1秒間に実行できる入出力回数)と比較した結果が以下の通りです。
リード/ライト、ミックス時の性能は
Intel SSD DC P3700:IOPS 14,500
3D XPoint SSD:IOPS 77,500
となっており、5.34倍高速という結果になっています。
リードのみの場合は
Intel SSD DC P3700:IOPS 10,600
3D XPoint SSD:IOPS 76,800
となっており、7.25倍もの速度を実現しているようです。
比較対象となっている「Intel SSD DC P3700」は順次読み込み速度2GB/sを超えており、現行で最高レベルのSSDの一つなのですが、初期サンプルの段階でこのSSDより最大7倍高速という圧倒的な速度を実現しているので、製品版はかなり期待できるでしょう。
不揮発性メモリとしても製品化予定
同社は3D XPoint Technologyを利用した高速な不揮発性メモリを次世代Xeonでサポートする予定であることも発表しています。
3D XPointを利用したメモリは史上初となる不揮発性のメモリであり、最大で4倍のメモリ容量と2分の1のコストを実現できるとのことで、「ここ25年で最大のブレークスルー」というのも納得なメモリであります。
同社が開発中のこのメモリはDDR4のメモリインターフェイスを利用しており、既存のDIMMとも互換性があるとのことで、DDR4のDIMMスロットを備えたマザーボードでも利用できるようです。
先ほどのSSDの例からもわかるように3D XPointを利用したSSDは圧倒的な速度を誇ります。その圧倒的な速度のおかげでメモリとしても十分機能できるのでしょう。
なお、同社が言う次世代Xeonとは、現行製品のHaswell-EP/EXの後継となるBroadwell-EP/EXのことだと考えられ、今年末にも登場することが予想されています。
この3D XPoint技術を利用したメモリが製品化されたときには、これまでのメモリの常識が変わることでしょう。そのうちパソコンのスペックからメモリというものが消え、ストレージ=メモリとなる時代が来るかもしれません。
参考:PC Watch1、2、北森瓦版
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