Apple Watch Series 6はまだ”買い”ではないかもしれない

Apple Watch Series 6が発売され、続々と多くのレビューが公開されていますが、そのレビューを見る限り現時点ではまだ”買い”ではないかもしれないと思いました。

今回はその理由について語っていこうと思います。

Apple Watch Series 6のおさらい

Apple Watch Series 6ではSeries 5から一体何が進化したのか軽くおさらいしますと

  • 血中酸素濃度センサー搭載
  • 常時表示時の画面の明るさが2.5倍
  • 20%早くなったS6チップ

が主な進化点となっています。

目玉はやはり血中酸素濃度センサーです。

これまでの光学式心拍センサーと医療でも利用可能な心電図を作成できる電気心拍センサーに加え、このセンサーが追加されたことで、より健康デバイスとして進化したわけです。

それ以外は性能面の着実な向上といったところです。

 

なぜまだ”買い”ではないのか

なぜ買いではないと判断したのかについてはいくつかのレビュー記事を参照した結果です。

血中酸素濃度センサーの精度

iPhone Maniaの記事ではApple Watch Series 6の目玉機能である血中酸素濃度センサーの精度について専門機器と比較し、測定されています。

【独自検証】Apple Watch Series 6の血中酸素測定は使えるのか? - iPhone Mania
  Apple Watch Series 6の新機能の1つであるで血中酸素ウェルネスアプリを使用し、血中酸素濃度の測定値をパルスオキシメーターと比較してみました。測定値の差が大きく、医療用に使うのは困難ですが、フィットネス中、就寝中の血中酸素濃度の変動を確認するのに有用だと感じました。  

この記事によりますと、Apple Watch Series 6の血中酸素濃度センサーは医療機器のパルスオキシメーターと比べかなりの誤差があることがわかっています。

パルスオキシメーターでは全く正常な数値なのに、Apple Watch Series 6のセンサーでは呼吸不全に陥っている可能性がある危険な数値が計測されることがあるなどかなり不安定な結果となっていました。

Apple Watchでその異常な数値を見て急いで医療機関に行ったら正常だった、なんてことにもなりかねないわけです。正常ならまだ良いとしても異常があったときに正しい数値が測定されず、使えなかったら本末転倒です。

これに関してはAppleは血中酸素濃度センサーはウェルネス(より良い生活のためのもの)用途としており、ヘルスケア(健康のためのもの)用途としていないことからもある程度想定済みのものと思われます。

この精度では現状だと参考程度にしかならず、今のところまともな用途で使えるものではなさそうです。今後のアップデートで改善されれば良いのですが。

 

常時表示画面がそこまで明るくなってない?

gori.meの記事によれば、Series 6で2.5倍明るくなったという常時表示時の画面がそこまで明るくなっていないとのことです。

【検証】Apple Watch Series 6のディスプレイは本当に2.5倍も明るくなったのか
Appleの言う「2.5倍も明るくみえるようになりました」の算出方法がよくわからず、実際に計測してみることにした

画面輝度を計測した結果によれば、常時表示時の明るさは20%向上した程度とのことで公称値の2.5倍とは程遠いものとなっていたとのこと。実際にgori.meさん自身もしばらく身に着けていてSeries 5とそこまで差があるようには思えなかったとのこと。

ただ、電池持ちは若干よくなっているようです。

 

まだ解決していないアプリの問題

WIREDの記事によりますと、Series 6はおおむね良好(血中酸素濃度の精度などについては触れられていない)とのことですが、いまだに解決されない致命的なアプリの問題を抱えているとのこと。

Apple Watch Series 6は最高のスマートウォッチだが、解消されなかった“欠点”もある:製品レヴュー
アップルが新たに血中酸素濃度の測定機能を追加した「Apple Watch Series 6」を発売した。ヘルスケアのデヴァイスとして正常進化した最新のApple Watchは、機能と性能で競合をさらに引き離している。しかし、実は解消されていない“欠点”もある──。『WIRED』UK版によるレヴュー。

それはApple Watchの「ミュージック」アプリで、Apple Watchに音楽やPodcastをダウンロードして管理することが悪夢のように大変とのこと。

通常ならばApple Watchで設定しておけば音楽などは自動的にダウンロードされるはずなのですが、これがあまり当てにならないとのことで、されるときとされないときがある模様。

このせいでApple Watchだけでランニングに出かけたときにAirPodsで音楽を聞こうと思ったらダウンロードされてなかったことに後で気づく、といったことがよくあったそうです。

 

ソロループ問題

これはSeires 6に限った話ではありませんが、同時発表されたソロループが公式に提供されている計測方法だとサイズが合わない問題が多く報告されていました。

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Apple公式は当初印刷可能なバンド測定用の計測ツールを使って、「きつくない程度」に巻きつけてその数値を見ると表記していましたが、この問題が発生してから計測内容を更新し、「手首にフィットするように」巻きつけるとし、さらに測定値も「ラインに最も近い数値の小さい方を選ぶ」と文章を追加しました。

この問題がさらに大きくなったのはこのソロループ、新型Apple Watchの標準ラインナップの一つであるにも関わらず、購入後はバンドのサイズを変更できず、返品するにはApple Watch本体も丸ごと返還しなくてはならないという問題です(いまは本体を返還する必要はなくなりました)

この問題によりソロループで返品トラブルが多数報告され、Appleも対応せざるをえなくなった経緯があります。

このバンド自体はバックルの部分がないためMacBookなどで作業するときに金属部分がMacBookに当たらずに済むという地味ながら良いメリットがあり、とても注目されていましたが、サイズ問題があるため購入する際は慎重に計測した上で行った方が良いでしょう。

 

Series 7は大幅アップデートが行われるかも

Series 6が”買い”ではない理由は以上のように目玉機能の血中酸素濃度センサーがそこまで正確ではない、Series 5と比較してそこまで大きな進歩を遂げているわけではないということもありますが、個人的には次のSeries 7で大幅アップデートが行われるのではと推測しているからということもあります。

 

Apple Watchのこれまでの傾向として3世代は同じデザインでその後大きなアップデートが行われているということがあります。

初代Apple Watch〜Apple Watch Series 3までは同一デザインで少しずつ機能が追加されていきましたが、Series 4で大幅にアップデートされ、デザイン、サイズ変更、大画面化、薄型化が行われました。Seires 4で大幅アップデートされて以降、Series 6で3世代目となり、次のSeries 7では再び大幅アップデートが期待できます。

 

これは噂ですが、Series 7ではマイクロLEDディスプレイが搭載されると言われています。マイクロLEDとは有機ELの次に来る次世代ディスプレイで、低消費電力で高輝度、高寿命、高画質、薄型化可能などディスプレイにブレイクスルーを起こすとされる新技術となります。

もしこれが本当に採用されれば、Apple Watch Series 7ではバッテリー時間がさらに伸び、さらに画面が見やすく、デザイン面でも変更が行われる可能性があります。

 

このことからも個人的にはSeries 6はまだ”買い”ではないと判断しました。

ただ、まだApple Watchを持っていない人や健康面を考慮して心電図機能など利用したい(日本ではまだ利用不可)という人はSeries 6の購入は良いと思います。心電図機能や血中酸素濃度測定が必要ない人はより安いSEもありでしょう。

また、血中酸素濃度センサーがアップデートで改善されればSeries 6はより魅力的なものとなるでしょう。そうなった場合は購入が推奨できるでしょう。

ひとまず初代Apple Watchを使用している自分は買い替えはSeries 7まで待とうと思いました。

 

 

参考:AppleiPhone Maniagori.meWired.jp

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