9to5Macによりますと、iOS 14.2では密かにJITコンパイルをサポートしたことが判明しました。
理論上、PS2やWiiなどの完全エミュレート可能に
JITとはJust In Time(ちょうどその時)の略称で、その名の通りソースコードをリアルタイムに変換可能なコンパイラとなっています。
これによりiOSとは異なるコンピュータやゲーム機などのエミュレートが高速に実行できるようになります。
従来でもエミュレート自体はできたのですが、そのためには脱獄(iOSをハックして通常できないことをできるようにすること)して、性能低下や多くのバグなどが発生することを犠牲にする必要がありました。
しかし、今回公表していないものの公式にJITコンパイルがサポートされたことでそれらの障壁が全てなくなり、理論上はPS2やWiiなどのより強力なシステムのエミュレートが可能になるとのことです。
実際にこのJITコンパイラを利用した”AltStore”というアプリ経由でゲームキューブの「スーパーマリオサンシャイン」を100%のフル動作でエミュレートしている動画がこちら。
Thanks to this change in iOS 14.2 — and combined with the new “Extended Virtual Addressing” entitlement — it’s now possible to emulate GameCube and Wii games at 100% speed WITHOUT jailbreaking or using private entitlements 😱 https://t.co/gOIBcxCZ0K pic.twitter.com/AF548pvKPl
— Riles 🦄 (@rileytestut) November 5, 2020
見てみますと驚くほどのスムーズに「スーパーマリオサンシャイン」が動作していることがわかるかと思います。しかもこれは脱獄することなく、実行できているものです。
なお、この”AltStore”は通常のアプリストアからは入手できず、MacやPCなどを介してしかダウンロードできないとのことです。
現時点ではJITコンパイラを利用したアプリがiOSのアプリストアに並ぶことはないようですが、公式にサポートされたことでエミュレートの可能性は格段に広がりました。
AppleはiPhoneやiPadに搭載されているチップと同じARMベースのMacを発表していますので、もしかすると将来的にiPhoneやiPadでもMacが使える時代が来るのかもしれません。
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