AppleはApple Silicon搭載Mac用のアプリ開発環境を整えるために開発者向けにA12Zチップを搭載したMac miniを提供していますが、そのMac miniが開発者の元へ届き始めたようで、すでにベンチマークスコアがいくつか出回っています。
今回はそのベンチマークスコアを元にいくつかの現行モデルと性能比較してみました。
A12Z搭載Mac miniの詳細
Geekbench Browserにて公開されているA12Z搭載Mac miniのスコアがこちら
OSは最新バージョンのmacOS 11.0(ベータ版)
CPUコア数は4コアで、A12Zチップ本来の8コア(高性能コア×4+高効率コア×4)の半分です。動作周波数は2.4GHzで、おそらく2.5GHzの高性能コアを0.1GHzクロックダウンさせて4コア駆動させている状態になっているものと思われます。
メモリは16GBで、現行モデルに採用されている最大6GBのメモリより大幅に増えています。
スコア比較
今回のGeekbench 5スコアを現行モデルと比較したものがこちら
スコアを比較しますと、2020年MacBook Air Core i5モデルよりも若干劣ったスコアとなっています。
本来の性能で言えばこの中では上から2番目の同チップ搭載の2020年iPad Proと同等スコアのはずですが、マルチコア性能では本来の性能より38%ほどスコアが落ちています。
しかし、ベンチマークに使用されているGeekbench 5はまだARMベースチップに対応しておらず、バイナリ変換プロセス「Rosetta」を介しての処理なため少なからずパフォーマンス低下は発生します。それに加え、今回のMac miniに搭載されているA12Zは本来の8コアから4コアへとコア数が大幅制限されており、クロック数も0.1GHzのダウンクロック、macOS 11.0もベータ版でまだまだパフォーマンス最適化されていない段階であることを考えますと今回のスコア低下は妥当な気がします。
A12Zは2018年iPad ProのA12Xから設計をほとんど変えずGPUコアロックを解除しただけの仕様だと言われており、実質2年前の設計のままという若干古いプロセッサとなっています。
そのプロセッサに様々な制約が加わった状態でこのスコアを出しているため、実際にApple Siliconとして発売される頃には少なくとも今回のMac mini Core i5くらいのスコアは叩き出すのではないかと個人的には期待しています。
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