iPad ProのミニLEDディスプレイで画質はどう変わる?Pro Display XDRの実例から考える

Appleは新型iPad ProにミニLEDディスプレイを採用しましたが、このディスプレイにより画質はどう変わるのでしょう?

今回はApple Pro Display XDRの実例を元に新型iPad Proの画質が従来の液晶ディスプレイからどう変わるのか検証してみました。

Pro Display XDRと新型iPad Proのディスプレイ

Apple Pro Display XDRは2019年11月にAppleが発表した約60万円というプロ向けのハイエンドディスプレイとなっています。

なぜこのディスプレイの実例を元に新型iPad ProのミニLEDディスプレイの画質を検証するのかと言いますと、仕組み的にはほぼ同じで、バックライトのLEDを分割駆動しているディスプレイだからです。

この辺りの詳細は以下のリンクで詳しく語っています。

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Pro Display XDRはこの分割されるLEDエリアは576分割となっていますが

新型iPad Proではこの分割数が2596分割と非常に細かくなっており

より緻密な光の制御が可能となっています。

 

仕組み的には同じなので、Pro Display XDRの実例を参考に従来の液晶ディスプレイからどう変わるのかを確かめてみます。

 

Pro Display XDRと5K液晶ディスプレイの比較

実際に比較するのはAppleストアで公式に取り扱われているLG Ultrafine 5K Display(約16万円)とApple Pro Display XDR(約60万円)です。

LG 5Kディスプレイの方は一般的なIPS方式の液晶ディスプレイで、前モデルのiPad Proとほぼ同様です。色域、コントラスト、最大輝度など前モデルのiPad Proも近いため、この比較で新旧iPad Proの比較のおおよその参考になります

 

具体的な違いは以下の通りです。

左:LG 5Kディスプレイ、右:Pro Display XDR

画像参考:https://youtu.be/kLKOOFaI0gY

見てみますと、明らかに背景の黒色が違うことがわかるかと思います。

通常の液晶ディスプレイであるLGのディスプレイは黒が明るく表示されているのに対し、LED部分駆動のPro Display XDRでは限りなく黒に近い黒となっていることがわかります。

明るいところを拡大してみますと、Pro Display XDR(右)は文字周辺にわずかながら光漏れが発生しています。

※画像を明るく加工したもの

わかりにくいので、加工して画像を無理矢理明るくしたものがこちらです。

見てみますと、LGディスプレイでは明るいエリアの周辺に光漏れ(ハロー)はないのに対し、Pro Display XDRでは文字周辺に光が漏れているのが分かります。

これが分割駆動の問題で、今回のように黒背景に真っ白なものがあるとその周辺だけハローと呼ばれる光漏れが発生してしまうのです。

とはいえ、この画像は明るく加工したもので実際に見る際は先程の画像のようにハローはある程度抑えられているものと思われます。

実際の映像の比較を見てみますと、画質の違いは圧倒的です。

黒背景のものであれば違いは明確で、さらにPro Display XDRはピーク輝度が1600ニトとLG 5K Displayの500ニトよりも圧倒的に明るい光を発することができるので、上記画像のような金属球はより金属らしく光輝いて見えます。

全体的に明るい感じの画像の場合は少なくともこの画像からは違いを感じにくいです。

この辺りは実物を見てみなければ分からないところではあります。

 

新型iPad ProのミニLEDはこれを超える?

新型iPad ProではPro Display XDRの576分割よりも遥かに多い2596分割を実現しており、上記のようなハローは遥かに軽減されることが予想されます。

Appleのデモ動画を見てもかなり細かく制御されているようで、より精密に黒に近い色表現が可能になるものと思われます。

さらにこのディスプレイはPro Display XDRと同様にフルスクリーン1000ニト、ピーク時1600ニト、コントラスト比100万:1、P3広色域を実現しており、さらに120Hz駆動のディスプレイはPro Display XDRの60Hzを上回るものとなっています。

 

現状最高峰のディスプレイになるかも

今回の新型iPad ProのミニLEDディスプレイは現状最高峰のディスプレイであると言えるでしょう。少なくとも十分高画質だった前モデルのiPadのディスプレイよりさらに次の次元の画質を実現していると考えられます。

驚きなのが、これほどまでに高いスペックをわずか6.4mmの薄さでiPadの中に収め、しかも価格は60万円のPro Display XDRより遥かに安い12万9800円(税込)に抑えられているということです。

もうディスプレイ単体としても欲しいくらいです。

 

発売は5月後半からということで、もうしばらく先です。

はやく実物を見て、その画質を体感してみたいものです。

 

参考:YouTubeApple

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