最近iPadをディスプレイ化するアプリが続々と登場してきていますが、その中でも特に代表的なのが有線接続の「Duet Display」とアクセサリ経由で無線接続する「Luna Display」です。
どちらも独特な方法でiPadをディスプレイ化しているのですが、実際に使用する上でどちらの方が使い勝手が良いのでしょう?
今回は実使用での遅延、画質、使い勝手について、両者を比較し、まとめてみました。
Duet / Luna Displayとは?
比較の前に両者のことについて軽く説明しておきます。
Duet Display
まず、「Duet Display」ですが、こちらは先程述べたように有線接続が特徴のiPadディスプレイ化アプリとなっています。
有線接続なので、ネット環境のない場所でも使用でき、遅延も少ないというありそうでなかった画期的なアプリです。
こちらはアプリをダウンロードし、通常のLightningケーブルを接続するだけで使用できるので、iPadとPCを持っていれば誰でも手軽に使用できます。
その開発は元Apple社員とのことで、その品質の高さは折り紙付きです。アップデートも頻繁に行われており、リリースされた当初に比べますと、最近の使い勝手は大幅に向上しています。
Luna Display
「Luna Display」はiPadをペンタブレット化することで有名なアプリ「Astropad」を開発するAstro HQ社がクラウドファンディングにて資金を募り、製品化したものです。
専用アクセサリをMac製品と接続することで、Macのハードウェア機能に直接アクセスし、通常の無線接続では難しい、遅延レス、高画質表示を実現したのが特徴となっています。
こちらはDuet Displayとは違い専用アクセサリが必要なので、海外の公式サイトなどからアクセサリを購入する必要がありますが、最近は日本への出荷も対応し、クラウドファンディングでなくとも購入できるようになったので、だいぶ購入の敷居が低くなったように思います。
「Luna Display」はUSB-C版とMini DisplayPort版があり、手持ちのMac製品のポートに合わせて製品が選べるようになっています。
遅延、画質、使い勝手比較
Duet Display
ではまずは「Duet Display」から。
画像のようにケーブルでつなぐことで表示しています。
ちなみに使用しているアプリは記事投稿時点(2019/1/7)で最新となるMac版 ver1.7.1.4、iOS版 ver2.0.9のものとなっています。
設定画面では解像度を1024×768〜1920×1200まで設定でき、フレームレートも60/30fps、品質も通常/高画質から選ぶことができます。
基本的に解像度やフレームレートが高ければ高いほど負担が大きく、品質も高画質のほうがバッテリーを大きく消費することになります。
まずは解像度1024×768、60fps、高画質設定での表示です。
iPad Pro側の解像度2224×1668の4分の1以下ということもあり、ややボケ気味ではありますが、表示に問題はありません。
次に最大の1920×1200(Retina)表示のときです。
こうなるとご覧の通り階調がだいぶ雑になり、60fps、高画質設定でもガクガクで1920×1200表示はほとんど使い物になりません。
解像度はアップデートでだいぶ選べるものが変わりましたが、他に1152×800(Retina)、1440×900、1680×1050があります。
非Retinaの1440×900や1680×1050表示はそれなりに使えますが、画面がアスペクト比の問題で画面下部分が黒く表示されるためiPadの画面をフルに活かせないのがやや残念(設定でTouch barを表示することは可能)。Retina表示のものは上記画像のように階調が雑になり、動作もガクガクになるため実用的とは言えません。
画面の大きさ的に解像度は非Retinaの 1024×768 か 1440×900 表示辺りが無難なところです。
以下は 1024×768 表示での詳細です。
1024×768表示でのウェブ閲覧はかなり快適です。
スクロールもとても滑らかにでき、解像度の低さに目をつぶればディスプレイとしてだいぶ実用的に使えます。リリース当初はこの解像度でも若干のラグなどはあったのにだいぶアップデートで改善された印象です。
この解像度なら動画も普通に見れます。
ほとんど通常のディスプレイと差がなく、とても滑らかに再生されます。
Luna Display
次に無線接続の「Luna Display」です。
専用アクセサリを接続し、専用アプリを起動することで、iPadにディスプレイ表示をすることが可能となっています。ちなみに専用アプリの方はMac、iPad版ともに無料でダウンロードできます。
なお、こちらも記事投稿時点(2019/1/7)での最新版となるMac版 ver1.1.2、iOS版 ver1.1.2を使用しています。
「Luna Display」の設定画面はシンプルで、解像度はRetinaか非Retinaの2択、他に配置の設定があるのみとなっています。
Retina表示は素晴らしくキレイです。
本当に無線接続なのかと思うほどです。
マウス操作もかなり快適に動きます。
ただし、大きな動きがある表示、アニメーションやウェブブラウザでのスクロールはけっこうガタつきます。
しばらくすればRetinaの美しい表示となりますが、それまでに若干ラグがあります。
画像では伝わりにくいですが、動画も見れたものではありません。
カクカクで昔のPCで表示しているかのようです。
ただ、「Luna Display」は同じWi-Fi経由で接続するので、ネット環境に大きく依存します。自分はモバイルWi-Fiを使用してでの検証であったので、通常のネット環境に比べ、速度が劣っているためこのような表示になったものと思われます。
ちなみに非Retina解像度での表示はなぜかRetina表示よりもひどかったです。
非Retinaの詳細や使用したネット回線の速度などは以下の記事にてまとめていますので、参考にどうぞ。
まとめ
ひとまず今回検証した結果をまとめてみますと以下のようになります。
Duet Display | Luna Display | |
遅延の少なさ | ◯ | △ |
画質 | △ | ◎ |
ウェブ閲覧 | ◯ | △ |
動画鑑賞 | ◯ | × |
文書作成 | ◯ | ◯ |
実用性 | ◯(非Retina時) | △(ネット環境次第) |
今回検証した限りだと、Duet Displayの方が遅延が少なく、ディスプレイとしての使い勝手が良いことが判明しました。
Duet Displayに問題があるとすればその使い勝手の良さは非Retinaのときに限られるため画質は若干ボケ気味で、設定によっては画面一部が黒表示になるということと有線接続なのでLunaほどMacの配置に自由度はなく、ケーブルが届く範囲という制限があるということですかね。
Luna Displayは今回検証した限りでは画質以外Duet Displayに劣っていましたが、ネット環境に大きく依存するためネット回線が速い環境なら今回の欠点を全て解決するようなポテンシャルを秘めていることが考えられます。他ユーザーのレビューは軒並み高評価なので、その可能性は十分にありますね。ちなみにポケットWi-Fiのようなネット環境でも文書作成くらいなら普通に使えました。
まとめるとネット環境が整っている人はLuna、どんな環境でも手軽に使いたい人はDuetといった感じですかね。
個人的には導入の手軽さも考えてDuetの方がおすすめですかね。
購入時の参考にどうぞ^_^
コメント
Luna Displayも、有線接続可能みたいですよ。有線接続した場合のLuna Displayと、Duet Displayの比較をしてみてほしいです。
たいやきさん
>Luna Displayも、有線接続可能みたいですよ。有線接続した場合のLuna Displayと、Duet Displayの比較をしてみてほしいです。
調べてみたところ確かに有線で接続できるようですね。
できれば有線接続した場合の比較を行いたいところですが、手持ちのMacBook 12はUSB-Cが1ポートで、Luna DisplayのためのUSB-Cデータ転送と有線接続のためのケーブル接続を同時にできるアダプタを持っていないので、現状比較は難しそうです^^;
できる環境が整いましたら試してみます。