ifixitがApple Watch Series 6の分解画像を公開しました。
今回はその分解画像からSeires 6と5の違いについて比較してみました。
外観デザインの比較
まずは外観デザインの比較から見ていきます。
Series 5 44mm(左)とSeries 6 44mm(右)
正面から見た比較ではSeries 5と6は見分けがつかないことがわかります。
Series 5(左)とSeries 6(右)
裏面の比較ではSeries 6はSeries 5とは異なりLEDライト(緑色、赤色、赤外線)が4つ、光を受け取るフォトダイオードが4つという構造となっています。
この構造によって新たに血中酸素濃度を測定することが可能となっています。
Apple Watch Series 6の外観上のわずかな変更点としてバンドをはめるスペースに謎のダイヤル式ロック(とifixitは呼んでいるが詳細は不明)が追加されています。
一体これが何を意味するのかはわかりません。
分解画像の比較
Seires 6(左)とSeries 5(右)
ディスプレイ部分を開けた比較です。
内部にはそれぞれ上部にバッテリー、下部にTaptic Engineが配置されているのがわかります。
ifixitによれば、Series 6(左)はTaptic Engineのスペースが大きくなり、Series 5より0.34mm薄く、バッテリーのスペースが明らかに小さくなっているにも関わらず、バッテリー容量は44mmモデルが1.129Wh→1.17Whの3.5%向上、40mmモデルが0.944Wh→1.024Whの8.5%向上を実現しているとのこと。
Seires 6 40mm(左)とSeries 6 44mm(右)
同じSeries 6でも40mmと44mmモデルとではそのバッテリー構造に大きな違いがあり、44mmモデルでは一般的なリチウムイオンバッテリーに採用される黒いホイル包装が行われているのに対し、40mmモデルでは頑丈な金属筐体に覆われています。
これはSeries 5でもそうだったのですが、40mmの金属筐体のバッテリーの方が頑丈かつより容量を大きくすることが可能となっています。
Apple Watchが他のApple製品より早く新技術を採用することはよくあるパターンで、将来的にiPhoneなどでも同技術が採用されることが期待できます。
Series 5(左)とSeries 6(右)
Apple Watchのディスプレイ部分はSeries 5よりSeries 6の方が感圧タッチが廃止されている分簡略化されています。
感圧タッチの廃止がSeries 6の10.4mmへの薄型化(Series 5の10.74mmより0.34mm薄い)に貢献したものと推測されています。
Series 6のTaptic EngineはSeires 5より大型化されている模様。
ifixitではこの大型化はSeries 4で薄型化されたTaptic Engineがうまく機能しなかったためではないかと推測されています。
このことからSeries 6では振動フィードバックがより大きく、伝わりやすくなっているものと考えられます。
Apple Watchの心臓部であるS6チップは全ての部品が一つに収められたSiP(システムインパッケージ)となっており、耐久性、防水性、設置面積の縮小、電力効率などあらゆる面で優れています。
この構造自体は初代から続くもので、いまだ他の機器で採用例が少ない高度な技術となっています。
ifixitはSeires 6の総評として感圧タッチが廃止されたことで、分解が若干簡略化され、本体が薄型化されたにも関わらず、Series 5より大容量なバッテリー、大型化されたTaptic Engine、新たな血中酸素濃度測定用センサーなど詰め込んだことを高く評価しています。
Series 6は見えないところでも着実にアップデートされているモデルとなっているようで、スペックを見るだけでは分からない変化も色々あるようです。
この辺りはより良いユーザー体験にこだわるAppleならではといった所でしょう。
コメント
「謎のダイヤル式ロック」はiFixitの冗談ですよ。
今iFixitの分解記事を見るとそう明示されてますが、本記事公開当時は伏せられてたんですかね?
写真を機械的にコピーされることへのiFixitなりの対策かな?なんて勘ぐっちゃいますね。