第3世代AirPodsが発売されましたが、気になるのはワイヤレスイヤホン特有の音ズレ(遅延)です。
普段動画や普通のゲームをするときなどは特に気になることはありませんが、音ゲーなどのシビアなタッチ操作が要求されるゲームをするときは非常に気になるポイントです。
そこで今回は実際に第3世代AirPodsと第2世代AirPods、本体スピーカーの遅延を測定して検証してみました。
測定方法
遅延の測定方法はiPhone 12 miniの240fpsスローモーション撮影で、120Hzで動作するiPad Pro 11インチ(2018年モデル)で「太鼓の達人」のタイミング調整画面を写して、タッチしてから音が出るまでのフレーム数を計測するという方式で行います。
240fps撮影なので1フレーム辺り約4.166ms(1ms=0.001秒)になるため、フレーム数を数えれば遅延の秒数が測定できます。
AirPodsからの音は設定で「自動耳検出」をオフにし、最大音量にしてAirPodsの音を計測します。
実際に測定してみた
本体スピーカー
測定結果は以下の通りです。
- タッチ→フレーム表示:約15フレーム(約62.5ms)
- フレーム表示→音:約0フレーム(約0ms)
- 合計:約62.5ms
本体スピーカーは0msかと思いましたが、意外にもタッチ→フレーム表示の部分で遅延が発生していました。これは内部でタッチ処理を行うためその分だけフレーム表示が遅れてしまうのでしょう。
フレーム表示→音はほぼ0フレームでそこには遅延はありませんでした。
第2世代AirPods
測定結果は以下の通りです。
- タッチ→フレーム表示:約19フレーム(約79.1ms)
- フレーム表示→音:約18フレーム(約74.9ms)
- 合計:約154ms
第2世代AirPodsではタッチ→フレーム表示が本体スピーカーの場合より約4フレーム遅れていました。
また、フレーム表示→音は約18フレーム遅れており、明らかに本体スピーカーより遅延が発生しています。
合計で約154ms(0.154秒)の遅延はワイヤレスイヤホンとしては短い方ですが、それでも音ゲーなどのシビアなタッチ操作が要求されるゲームには向かないでしょう。
第3世代AirPods
測定結果は以下の通りです。
- タッチ→フレーム表示:約12フレーム(約50ms)
- フレーム表示→音:約21フレーム(約87.5ms)
- 合計:約137.5ms
第3世代AirPodsでは驚くことにタッチ→フレーム表示が本体スピーカーの場合より短くなっていました。第3世代AirPodsに接続するとタッチ操作の内部処理が高速化でもされるんでしょうか…謎ですね。
フレーム表示→音は第2世代AirPodsよりも悪化していました。おそらく内向きマイクで聴いている音をリアルタイムに補正するアダプティブイコライゼーションの処理で遅れているものと思います。
しかしトータルでは約137.5ms(0.1375秒)となり、第2世代より0.02秒ほど遅延が短縮されています。
音ゲーはできる?
試しに第3世代AirPodsと第2世代AirPodsで「太鼓の達人」の夏祭り 鬼をプレイしてみました(タイミング調整はなしの状態)
プレイしてみた感じ遅延を考慮して目押しすればなんとかプレイできなくもない印象でした。とりあえずどちらの場合でもクリアする程度はできました。
第3世代と第2世代の違いですが、違いがあるのか正直よく分かりませんでしたが、第3世代の方がサクサク動いているように見える?印象でした。新型だからそう思ってしまうのか本当に遅延が少なくなっているのかはよく分かりませんでしたが、気持ちの問題とも言い切れるほどの誤差です。
少なくとも遅延はまだあることは確かなので、本格的に音ゲーをしたいなら本体スピーカーか変換アダプタを使って有線のイヤホンを接続することをおすすめしますね。
上記の遅延測定結果はあくまでもスローモーション撮影と個人的な観測をもとにした比較的大雑把なものとなります。
精密な遅延を測定したわけではありませんので、あくまで目安程度にどうぞ。
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